運命の存在を信じますか?

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   メグは不機嫌そうな顔で、小さく悪態をついていた。 「バカじゃないの。チカンみたいな卑怯な犯罪やるヤツって絶対こんなこと考えてるんだよ。ミニスカ履いてるから覗いていいとか、身体の線が出る服着てるから触っていいとか」 「そんな馬鹿な……」  眉尻を下げてそう言うと、メグは口唇を尖らせて私を見下ろす。 「駄目よ、朱音。卑怯なヤツっていうのは、こっちが当たり前に持ってる常識なんて何とも思ってないもんなんだから。そんなヤツに容赦なんてしてやることないのよ」 「そ、そうなのかな……」 「あたしは、チカン以上のことは人権奪ったっていいと思う。極端なのは判ってるけど」  まるでそういう人を間近で見てきたみたいにメグが強く言うから、つい頷いてしまう。  別にチカンを庇おうとしたわけじゃない。  だけど、メグの例えたミニスカートとか身体の線が出る服とか。  女の人がいくらそういう格好をしていてもそれはおしゃれで、誰彼構わず異性の気を引くためなんかじゃないってことくらい、普通に考えれば判るはずだろうと思ったんだ。  でも、そんなの通じない人がいるって言われると──怖いな、と思った。 .
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