【それを人は運命と呼ぶ。】

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  深夜近くなって部屋に帰り着くと、コートを脱いだところで携帯が鳴った。  2秒で止まったそれは、メール着信音。  コートをハンガーに掛け、カーテンを閉める。  チリン……といつものように風鈴が鳴って、胸がずくんと疼いた。  いつもはその音色の確認をするだけして、溜め息が漏れるんだけど。  今日は──ずっと重く深く、甘さを帯びた痛みが襲ってくる。  車の中から陽香の姿と顔をほんの一瞬、確かめただけだ。  それなのに、身体中が熱くなってしまった。  ……可愛かったな……。  どこか腑抜けた思考回路で、そんなことを思ってしまった。  でも、顔を見てしまうと、つい欲が出る。  叶うべくもないけど、声が聴きたい……。  何度も今日の記憶と昔の記憶を思い描きながら、彼女の面影が昔のままだったことに、安堵してしまう。  誰かと、幸せに過ごしているのかな。あれから、7年だもんな。  今日ふざけながら浅海さんが放った言葉が、今頃になってじくじくと突き刺さる。 .
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