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『──不倫ができるくらいの時間?』
陽香に別れを切り出した俺が、更に苛まれるような立場になりたかったとはいえ、流華さんとそんなことをしているんだ。
陽香にだって、もう相手がいるに決まっている。
あれだけ綺麗で可愛くて、優しくて気立てのいい娘なんだから。
……そう考えてはみるものの、やっぱり勝手なことに気分が悪い。
陽香の面影は、そのままだった。だから、陽香を変につくり変えたりしない男なのだろう。
俺なんかより優しくて、誠実で──。
本格的に落ち込みそうになってカーテンから手を放し、俺は携帯が鳴っていたことを思い出した。
のろのろと振り返りつつ、携帯を取り出す。
パチン、と開いてメールを開いて──そのまま時間が止まった。
これは……。
──────────
20XX/11/08 23:47
Sub:no title
これ以上関わると、お前の人生もメチャクチャになるぞ
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