201人が本棚に入れています
本棚に追加
登録外の携帯アドレスからだった。
すぐに“誰だ?”と返事をしてみたが、すぐにアドレスを変えたのか宛先不明で戻ってきた。
こういう予想外のことがあるかも知れない、という覚悟はしていた。この7年の間に、2回程。
1回目は、俺が中居の家をしつこく訪ねるようになってから。
2回目は、俺が流華さんと毎週土曜日に会うようになってから。
中居に対しては、斉木の母親である厚子さんもそう言っていたように、彼の昔の素行の悪さからその可能性を考えた。
そして、流華さんの方はその理由を考える必要もない。
流華さんの旦那さんに俺と彼女の関係を知られた時の可能性──。
こういうメールそのものを想定していたわけではないけど。
だから、驚きはしたけれど怖くはなかった。
どちらから送られたものなのだろう。俺は、これからそれを考えなければならないようだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!