引き続き、彼の観察。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  ──仁志くんの様子がおかしい。  そう言い出したのは、涼太くんだった。 「何が?」  メグが、眉根を寄せて首を傾げる。  久遠寺さんの目に触れないように、私達は保健室でお昼を取っていた。  佐奈先生に使ってない机をひとつ借りて、私と涼太くんとメグとでそれを囲んでいる。 「何が、って言われると困るんだけど」  涼太くんは朝コンビニで買ったサンドイッチをもぐもぐしながら、ううんと考え込んだ。 「アレだよ。お前らが警察のお世話になった日から」 「あたし達が何か悪さしたみたいな言い方やめてよ」  わざとそう言ったのか、涼太くんはメグの突っ込みにひひっと笑った。 「ちょっと、楽しそうっていうか。幸せそう、とまではいかないけど」 「ああ、それは何となく判るけど……織部さんに再会できたからでしょ?」  すると、黙って聞いていた佐奈先生がクスッと小さい声で笑った。 「会いに行ってるみたいよ。陽香に」 「やっぱり」  涼太くんとメグの声が揃ったのがおかしくて、私も思わずふふっと笑ってしまう。 「でもさ、それだけじゃなくて。この前も声かけようとしたらさ」 「何よ」 「渡り廊下から、屋上じーっと睨んでて。何か声かけづらくて黙って見てたら、めっちゃでっかい溜め息ついて。そのまま煙草咥えようとするから、慌てて止めたわ」 「ええ、ヤバッ」 「“悪い、ぼーっとしてた”って笑ってたけど」 「彼がそんな迂闊なことするなんて、珍しいわね」  佐奈先生の感想に、3人でうんと頷いた。 「それだけじゃないっつーか。楽しそうにしてる反面、なーんか考え込むことも増えてる、っつーか。そういう時は恋わずらいっていう雰囲気じゃないっつーか」  涼太くんの言葉を聞きながら、私は昨日の仁志くんを思い返した。  私の話を聞く、っていう態勢を取ってくれていたからか、涼太くんの言うようなことは何も感じなかった。 .
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