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「お前、久遠寺に何か言われたのか?」
メグは黙ってかぶりを振った。
「あさみんには、関係ない」
「関係ないって、お前……」
何言ってるんだ……という表情で、浅海先生はメグを見つめる。
「あさみんは、カノジョと付き合ってればいいよ。もう、あたしの相手、しなくていいから……」
「ちょっと、メグ……ッ」
私がメグのそばに駆け寄ろうとすると、メグはそのままグイッと涙を拭い、保健室を飛び出した。
「メグ!」
「愛美!」
メグの後を追おうとする浅海先生を見て、慌てて彼の腕を掴んだ。
すると、一瞬遅れて涼太くんも浅海先生の肩を掴む。
「浅海先生、駄目っ」
「お前ら……っ」
「浅海先生が行ったら、駄目……私が、私が追いかけるから!」
涼太くんが私に“行け”と目で合図して頷いた。
それに私も応えると、浅海先生から手を放し保健室を出た。
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