引き続き、彼の観察。

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  「このまま浅海先生と付き合う気なら、マスコミに売ってやるって……学校にバラすなんて生ぬるい真似してやらないって、知り合いの記者に売って、浅海先生も二度と教師なんてできないようにしてやるからって……」 「なんでそんな……」 「……あたしが、奪ったんだって。菜々子から、父親を」 「……」  メグはようやく顔を上げた。  泣き腫らしたその横顔もこんな時なのに凜として、綺麗で。  一瞬、誰もこんなメグのことを傷付けることなんてできないんじゃないかって思ってしまった。 「菜々子が憎んでるのはあたしの母親じゃなくて……あたしだって。あたしがいるから、父親はちっとも帰ってこなかったって、そう言うの」 「メグ……」 「冗談じゃないよ……あたし、一度だってお父さんにいて欲しい、なんて言ったことないのに……お、お母さんだって、いつも奥さんのこと気にして……」 「メグ……」  言いながら震えて、また泣き出したメグの身体を、ぎゅっと抱いた。  チャイムが鳴り響くのが聴こえるけど、そんなの今はどうでもいい。 .
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