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「おい、愛美、起きろって……」
「……っ」
ハッと息をついて、メグがそれに応えるように目を覚ました。
「……? え? あた……し……?」
「メグ!」
メグはきょとんとして、やがて自分が下敷きにしている浅海先生に気付いた。
「え? 何で? 浅海先生……!?」
メグは慌てて浅海先生の上からどくと、途端に涙を浮かべてオロオロし始める。
「どうした!」
血相を変えて真っ先に昇降口にやってきたのは、仁志くんだった。
この光景を目の当たりにし、仁志くんの顔がさあっと青ざめる。
「浅海さん、大丈夫か!?」
「判んねーけど……咄嗟に受け身、取ったから……頭は多分、大丈夫……」
「朱音ちゃん、何があったの」
苦しげな浅海先生に事情を聞くのをやめ、仁志くんは私の顔を見た。
「く、久遠寺さんが……2人とも階段から、落ちて……」
「久遠寺菜々子……!?」
ただでさえ青白かった仁志くんの顔から更に血の気が失せる。
すると、本格的にパニックになって泣き出したメグがへなへなと崩れ落ちた。
「やだ、浅海先生、死んじゃやだあっ」
「馬鹿か、騒ぐな。こんなんで死んでたまるか!」
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