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ぐるぐると頭の中を何か棒でかき回されているような不快な痛みに、じりっと眉を寄せた。
自分のその反応もまた不愉快で、うっすらと目を開ける。
薄暗い景色の中に、わずかに光を感じた。
視界をはっきりさせようとまばたきをすると、ピーン……と、張り詰めるような頭の痛みが瞳の裏からついてくる。
どうやら何か柔らかいものの上に寝かされているようで、起き上がろうとしたとき、両腕を縛られていることに気付いた。
仕方なく両腕をついてゆっくりと身体を起こすと、足元でチャリ……と金属の擦れる音がした。
「……嘘でしょ……」
手首は何か細長い紐でぐるぐる巻きにされていたけど、あたしの両足には手錠がかけられている。
その手錠の真ん中をロープでがっちりと縛り付けてあって、その先はベッドの足にくくりつけられていた。
寝かされていたのはベッドの上だと気付いて、ぞっとする。
縛られた手も、繋がれた足も一応動かしてはみるけど、簡単に外れるような気配はない。
「一体、誰がこんな……」
天井近くに、天窓のような明かり取りが一箇所ある。そして、真正面にドアがひとつ。
この部屋に出入りできるのは、ドアくらいしかないみたいだった。
じっと足元を見る。
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