195人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚
それから何日が経っただろう。
友達とサッカーしよう、なんて適当に場所を探しながら住宅街を走っていた時だった。
「あっ」と甲高い声がして、それに聞き覚えがあった俺は思わず振り返った。
──すると、明らかに俺達より学年が下っぽい集団。
その中にあの子がいた。
真っ白な肌、赤く上気した頬、真っ黒な日本人形の髪に、真っ黒な大きな瞳。
ピンクのポンチョ型のコートを着ている。襟のところでちょうちょ結びにされた飾り紐の先には、フワフワの白いポンポンがついている。
……また、とんでもなく可愛らしい格好をして……。
思わず顔を赤らめてしまいそうになったけど、すっぽかされたことを思い出して、俺はぷいっと知らん顔をした。
友達の輪に戻りながら、ちらっとはるかちゃんを盗み見ると、今にも泣きそうな顔をして俯いていた。
変なの。すっぽかされたのは俺なのに。
なんであの子が、泣きそうになってるんだよ。
.
最初のコメントを投稿しよう!