195人が本棚に入れています
本棚に追加
ごめんね、陽香。また俺は、きみを泣かせてしまっているんだろうか。
身体ばかり大きくなって何ひとつ変わってない弱い俺を、きみはずっと待ち続けてくれているんだろうか。
きみのその愛に応えるのに、俺は何をすればいい?
こうして離れてしまった手を──何度でも取りに行くことしか、思いつかなくて。
そんな拙い方法しかなくて……頼りない俺だけど。
きみが「仕方ないね」って笑って許してくれるまで、何度でもそうするから。
だから、俺のそばにいて欲しい。もう一度──……。
そう思った瞬間、ジェットコースターで急斜面を駆け下りる時のように、真っ白な明るい光が視界に広がって──。
.
最初のコメントを投稿しよう!