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カーテンから明かりが差し込む。
窓の外では何やら小鳥が楽し気な会話をしている。
ああ、今日は晴れなんだな。
微睡みの中で私は思った。
そのうちに小鳥とは違う電子音が鳴る。
目覚まし時計が、起きる時間を知らせる音だ。
……起きたくない。
毎朝思う。起きたくない。
嫌だ。
もう、辛い。
疲れた……
朝は嫌いだった。
新しい1日なんてどこにもない。
変わらない日々の中で、これほどまでに残酷に、現実は繰り返す。
ああ、また、虐げられ蔑まれる1日の始まりだ。
私は重い鉛のような身体を無理矢理に動かした。
行きたくないと泣き叫ぶこころを抑え込んで、ただそうすることを設定された機械のように。
まあ、自分にはそれしか脳がないのだから仕方ない。
虐げられることも蔑まれることも、周りの視線もすべて。
もう慣れっ子であったから。
動き出してしまえば、私は何も考えず、感じず、息もできぬほど窮屈で苦しいだけの地獄を生きる。
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