21人が本棚に入れています
本棚に追加
噂に聞いた店は、確かこの辺りだったと思う。
そこは狭い路地裏の、わかりにくいところだとセキレイから聞いていたから、"はる"は特に注意しながら辺りをキョロキョロとしながら進んだ。
『目印は、大きな、厚い、木の扉』
セキレイが言うには、木の扉があって、窓にはたくさんの小瓶があるって。
この時のはるが思ったことは、開けられないかもしれない……、なんてことだった。
今思えば、セキレイだってきっと開けられなかったはずなのだから、聞いておけばよかったのに。
見つけた店の扉は……
やっぱり自分が開けられるようにものでなく、"はる"はぼんやりとそれを見上げた。
扉の前でくるくるくるくる ウロウロウロウロ……
どうしよう……?
しばらく続ければ、『こんなカラダ』であるにもかかわらず疲れてしまった。
"はる"は蹲って大きく息を吐く。
最初のコメントを投稿しよう!