第1話

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そもそもそのデパートはお客がこないことで有名で、店員は常に暇。 いや、けれど忙しいときは忙しいという特殊な場所であった。 今日は暇だしな…と呟いて、小太郎はしぶしぶ紙切れを見た。 すでにくしゃくしゃになったそのよれよれの紙切れには、 こう書かれていた。 「……」 いや、そこには何も書かれてなどいなかった。 それはただのくしゃくしゃの白紙の紙だ。 「おい、ことり、これなにも書いてないだろーが」 そんな悪態をついてことりを見る小太郎だったが、 ことりはレジカウンターから移動していた。
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