二人のはじまり

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私の隣で、ずっと憧れていた先生が楽しそうに笑う。     そして私は、宙に舞い上がったまま嬉しさ一杯の笑い声を上げる。     私―――ヤバイかも。 本当に―― 本気になっちゃうかも…。   胸の鼓動は高鳴り、信じられないくらい高揚する熱い感情。 優しい笑みを浮かべる先生を見つめ、自然と緩む頬に手を当てた。 それから私達はいろんな事を話した。   仕事の事、友達の事、今までの恋愛、現在の恋人、そして、お互い半年後に控える結婚の事。     会話の中で何より驚いたのは、2人の誕生日が同じだと言う事だった。     「先生!私、運命感じちゃった!これは神様が『結婚前にアバンチュールをしなさい』って言ってるんだよ!」     私は目を輝かせ先生の顔をマジマジと見つめる。     「ん?アバンチュールってなんだ?」   先生は私の顔を見てクスッと含み笑いをした。  「だ~か~ら~!先生!私と最後の恋愛しようよ!」   私は酔いに任せて、とんでもない事を口走った。
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