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書きかけの一枚の手紙を見つめ、そっとペンをテーブルに置いた。
静かな息をつき、椅子から立ち上がり寝室に向かう。
薄暗い部屋には、すやすやと眠る愛しい娘の寝息が小さく聞こえる。
「寝相までパパにそっくりなんだから」
お腹の下までずり落ちた布団を引っ張り上げ、「クスッ」と柔らかに笑みを浮かべた。
リビングのカーテンを開けると、満月の光が雲を霞めぼんやりと目に映る。
「先生…、先生も同じ月を見上げていますか?私は今でも貴方を想い、こうして月を見上げています。 貴方は…私の永遠の恋人」
書きかけの手紙を胸に抱き、そっと瞼を閉じた。
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