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彼女はピンクのお財布から支払いを済ませると、
「ありがとう」
柔らかな笑顔で店員に声をかけその場を離れた。
初めて聞いたさゆりの声は、とても可愛らしい声であった。
低めの私の声とはまるで違う、女の子らしい愛らしい声…。
普段、大人っぽい声とか落ち着いてる声と言われるが、私は自分の声が嫌いだ。
あの可愛い声で先生を呼んでるんだ…
彰彦…?
…あっくん?
何て呼んでんのかな…。
自分が適当にカゴに入れた食材がバーコードを通るのを見ながら、小さなため息を溢した。
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