再会

8/16
前へ
/26ページ
次へ
彼女は丁寧に食品を袋に詰めると、出口の方へ向かって歩いていく。     私も追い付こうと急いで出口に向かうが、彼女の背中を見つめ途中で足を止めた。     …私って、何て虚しい女… 追いかけてどうするの?辛くなるだけなのに…。     次第に目頭が熱くなる。    緊張感、恐怖感、嫉妬、後悔、罪悪感… 自制が――― 心のコントロールが利かない―――。   先生、ごめんなさい… 私、あなたの婚約者を隠れて見てるの… こんな私、あなたには見せられない… 嫌だよね?こんな醜い女…ごめんなさい…ごめんなさい… 私はその場で立ちすくみ、涙で掠れて見える、彼女の後ろ姿を見送った。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

330人が本棚に入れています
本棚に追加