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直人のマンションへ向かう道のりも、部屋を掃除し食事の支度をしている間も、頭の中は先生とさゆりさんの事でいっぱいだった。
今頃、彼女も先生のためにご飯作ってるんだろな…。
あのマンションのキッチンに立ち、ピンクのエプロンで料理をする彼女の姿が思い浮かぶ。
「あ…私も婚約者のために料理してるじゃん。一緒じゃんか~」
人参を切る包丁の音が響く。
気持ちを紛らわせようと最近流行りの歌を歌いながら、泣きたくなる気持ちを押さえ込んだ。
ピンポ~ン…
「ただいまぁ~。おっ!いい匂い!」
しばらくして、直人が帰宅した。
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