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二人は先生お気に入りのラーメン屋へと向かった。
「う~ん…よし!今日はチャーシューいっぱいのヤツにしよう!」
先生はチャーシュー麺を。
私は中華麺を注文した。
「…昨日はごめんね」
私から気まずそうに話を切り出した。
そんな私の顔を見ると、
「もういいから。俺も悪かったし…。仲直り仲直り」
先生はニッコリと微笑んだ。
「ありがとう。実は、私がいじけてたのにはもう一つ理由があって…」
「ん?もう一つ理由?」
「実は私…この前さゆりさんに会ったの。スーパーで…。それで、さゆりさんを知りたくて後つけちゃった…ごめんなさい」
私は、視線を落としたまま頭を下げた。
「…そうなんだ。別に謝らなくても良いよ」
先生は目を細め柔らかな視線で私を見つめる。
「さゆりさん…凄く清楚でいい奥さんになりそうな人だね…」
「…何言ってるの?唯だっていい奥さんになる。絶対に」
私を慰めるかのように、柔らかな口調で先生が言った。
「ははは…ありがとう。私がいい奥さんか。でも、先生の奥さんにはなれないのにね」
苦し紛れの、笑みを溢す。
「…唯……」
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