心の穴

5/10
前へ
/32ページ
次へ
「唯~!重いから早く開けて~!」   扉の向こうから聞こえたのは、綾子の声であった。 ――重い?     急いで扉を開けると、両手に買い物袋を下げた綾子が立っていた。     「ほら!食料調達してきてやったから!あんた、最近ろくな物食べてないんでしょ?」     綾子はしいて明るい声でそう言い、私の顔を見てフッと小さな笑みを浮かべた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

297人が本棚に入れています
本棚に追加