282人が本棚に入れています
本棚に追加
「植野さんに食事とらせた?!この後ずっと予約詰まってて植野さんの枠ないよ!」
受話器の向こうから、脳を直接打撃するような怒鳴り声が飛んできた。
「...本当にすみません」
私は受話器を握りしめ、キュッと唇を噛んだ。
「すみませんじゃ、済まないんだけど」
威嚇するような低い声。
「すみません...すみません...」
私はただ謝罪する事しか出来ず、受話器の向こうの相手に向かって頭を下げる。
「...いいよもう。夕方なんとか俺がやるから」
「すみません…」
「櫻井さん、君いったい何年目?こんな新人みたいなミスするなんて。
上の空で違うことでも考えてたんじゃないの?ちゃんと仕事してよ。周りが迷惑だから」
とどめを刺すようなキツイ口調。
「はい…」
「植野さんに昼の食事は食べさせないでよ!」
そう言い捨て、森先生は一方的に電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!