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「私ね、この1ヶ月でいろいろ考えたの…。先生の幸せ、私の幸せ、さゆりさんの幸せ、直人の幸せ、私達まわりの人達の幸せ…。
そうしたら、先生が選んだ…またお互い別々の道を歩んで行くのが一番いいって思った。先生がさゆりさんへの罪を償うって言った時、もう私は引き下がるしかないって思った。邪魔しちゃいけないんだって分かった」
先生は、私の頭を撫でながら悲しげな目を細める。
「…だから、私はもう迷惑かけない。先生に泣きすがったり、困らせたりしないから。私もちゃんと前に進むから…だから、心配いらないよ」
先生と繋がれた手に力が入る。
それに応える様に、彼も強く握り返した。
「…唯…本当にごめんな…。俺も唯といた時間…凄く楽しくて、幸せだった。
絶対に忘れない…忘れないから…」
掠れていく、先生の声。
「…先生…私を、愛してた?」
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