246人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ…えっと…お疲れさまです…」
嬉しさと戸惑いで、私は思わず言葉を詰まらせた。
「ははは。なに?えっと…て」
そんな私を見て、先生は優しく目を細めた。
「何でもない…ただ、びっくりして」
久しぶりに見た先生の笑顔。どうしようもなく、胸がドキドキする。
…やっぱり、この人が好き。―――そう想えば想うほどに、胸が苦しい。
「今日は準夜勤だったんだね。お疲れさま」
先生…
一緒にいた頃と何一つ変わらない笑顔がここにある。
「あのね、先生に手紙書いたんだ。休憩室の、私のロッカーにオレンジ色の袋が入ってるから。誰もいない時に持っていって」
はにかんだ声を潜めた。
「うん、わかった。唯…」「あっ、櫻井さんまだ居たの?」
先生が何かを言いかけた時、後ろから一緒に準夜勤をしたスタッフが話しかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!