消えぬ思い出

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準夜勤が終わり部屋に帰ると、携帯に直人からの着信があった。 準夜って言ったのに…何かあったのかな。 直人に電話をかける。 「唯!今どこ?」   繋がったと同時に飛び込んで来た、直人の声。 周りは何やらガヤガヤと賑やか。   「どこって、寮だけど。今仕事終わった」     「あれ?今日準夜勤だったっけ?」   「昨日そう言ったじゃん。本当に人の話聞いてないんだから」   人の話を聞かずマイペースな男。いかにも直人らしい。   その代わり、人が直人の話を聞いてなくても気にしない。   聞き上手の先生とは真逆な性格。   何故こんなにも性格の違う二人に惹かれたのか…自分でも分からない。   全く違うから惹かれたのか… 私って、つくづく欲深い女だな…。心の内に苦笑いを浮かべた。
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