消えぬ思い出

5/23
前へ
/32ページ
次へ
「遅いって…遅くまで仕事してた人間によく言えたもんだわ」   わざとらしく言葉を投げつけ、笑いながら私もカウンター席に座った。   「唯ちゃんいらっしゃい」   みわさんがおしぼりを広げて、「お疲れさま」の笑顔をくれる。     「今ねー、風俗の話で盛り上がってたんだって!」   席に着いた途端に慎ちゃんが言った。     「風俗?もぉー、マスターまた下ネタぁ?疲れてんだから初っ端から勘弁してよぉ」   「何言ってんだ!スケベ心は人類を救うんだぞ!遺伝子を大切にしなきゃ!スケベ万歳だっ!!」     「エロマス。気合い入れて語っとるが意味わからんし」     直人が慎ちゃんを指さしながら大口を開けて笑う。   くだらない話で大笑いをし、美味しいお酒を飲む。   この店には、いつも変わらぬ時間が流れている。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

315人が本棚に入れています
本棚に追加