消えぬ思い出

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「ねぇ、唯ちゃん。こんな下ネタおやじ達は放っておいて、あっちで2人で飲まない?」   みわさんが、グランドピアノの横にあるテーブルを指さして言った。     「はい。2人で飲みましょ!」   私も少し酔いが回ってきたのか、満面の笑みを浮かべてカウンター席を立った。     テーブルには、赤い薔薇が飾ってある。   その赤があまりに鮮やかで、見とれながら花びらを軽く指で撫で眺めていた。        「唯ちゃん…最近凄く疲れてない?」     花びらを撫でる私の指を見つめ、突然みわさんが言った。
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