消えぬ思い出

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「…みわさんは…今まで、生きてきた中で一番愛した人は慎ちゃんですか?」     遠慮がちに言って、口を噤んだ。     「どうしたの?急に。結婚を目の前にして不安になっちゃった?」     突拍子の無い私の言葉に少し驚いた表情を見せた後、みわさんは私の目を見て微笑んだ。     「いえ、ただ…私、分からなくなったんです。どうして男と女は結婚をするんだろう…って」     私は真っ直ぐみわさんを見つめ返す。
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