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「今日って、水島先生の結婚式だよね?何着るのかな~、タキシード!あ、先生には紋付き袴のが似合うかも」
病棟に着くと、既にスタッフの間で先生の話題が飛び交っていた。
私は、そのおめでたい話を適当に笑顔で交わし、一人点滴の準備に取りかかった。
仕事をしていても時間が気になり、無意識に時計に視線を飛ばす。
今からさゆりさんを迎えに行くのかな…
もう式場だろうか…
先生の花婿姿、どんなだろう…
――先生、今はどんな気持ちでいるの?
考えたくない。考えたくないのに…。
必死に思いを振り払う。
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