消えぬ思い出

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「トキメキなんていつかは消えるもの。いつまでも旦那に胸キュンならそれが一番理想かもしれないけど、それは不可能に近いわよね。 平凡…そう聞くとつまらない、退屈、そんなイメージに感じるけど、平凡が一番幸せなのよ」   「そうなのかな…」   「そうそう。いつか唯ちゃんにも分かるわ。それはまだ、ずっと先の事になるかも知れないけれど」     「未熟な私にはまだ早いですか?」 「そうね。熟すにはまだ早いのよ。もっと太陽の光と色々な風を受けなきゃ美味しく実らない」 「みわさんみたいに?」 「そう、私みたいにっ」 二人は顔を見合せ、ククッと笑った。     「唯~。俺飲みすぎたし帰ろうぜぇ~」     フワフワした足取りの直人が、ヘラヘラ笑いながら私の頭を軽く叩いた。     「今から帰って子作りの練習かぁ~いいなぁ~。みわ!俺たちも今夜頑張るか!」   慎ちゃんがガッツポーズを見せる。   「他所の女に頼んでくださいな」   そんな慎ちゃんを見て、みわさんはさらりと軽くかわした。
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