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お昼の休憩が終わる。
挙式は1時―――
その時間が刻々と迫る。
「ねぇ、足りない点滴を取りに薬剤部に行ってくるね」
一人のスタッフがボックスを持って、ステーションを離れようとした。
「あっ!私が行きます!ついでに取りに行きたい薬があるのでっ」
私は椅子から立ち上がり、慌ててスタッフの足を止めた。
この狭い空間に居るだけで息が詰まりそうで、私はとにかくここから抜け出したかったのだ。
「いいの?なら、お願いね」
スタッフは笑顔でそう言って、私にボックスを手渡した。
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