269人が本棚に入れています
本棚に追加
「先生…あの日、結婚式の日。ちゃんと1時に空に向かって『おめでとう』って、言ったよ」
静かにそう言った私は、月明かりに照らされサワサワと揺れる葉に視線を置いている。
「…そうか。ありがとう」
「うん…」
「俺、挙式の最中…神父が『偽りのない愛を…』って言葉を読み上げてる時に唯の顔が浮かんだんだ…」
小さく微笑みながら落とした、先生の言葉。
「…誓いの言葉のこと?」
「うん。その誓いの言葉を聞きながら…俺神様に謝ってた。神様がいるかは分からないけど、もし存在するなら俺のやってる事、全部知ってるだろ? 」
「う…ん」
最初のコメントを投稿しよう!