帰国

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「あ、そうだ。お土産は無いけど…プレゼントできるものがある!」   先生はフロントガラスの前に置いたCDを私に渡した。 これ…さっき先生が見てたCDだ…     「これって…最近よくラジオで流れてる曲だよね?確か、ラブソングじゃない?」     「そうそう。知ってる?」   「歌詞の内容は、詳しく知らない」     「じゃあ良かった。ぜひ聞いてみてよ。唯にプレゼント」 先生は、CDを見つめる私の横顔に笑みを送る。     「ありがとう!…でもこれって、先生のCDでしょ?貰っていいの?」     「いいよ。俺はまた買うし。それに唯にあげようと思ってたから…お古で悪いけど」     「嬉しい!ありがとう」     私は歓喜の声を上げ、胸にCDを抱きしめた。   先生が聞いていたCDだ。新品よりも、ずっと嬉しい。
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