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「はは…そうですかね。僕、指輪ってなんか苦手で…仕事の時は邪魔になるんでしないようにしてるんです」
「邪魔になるだなんて!そんな言い方して、奥さん可哀想だねぇ~叱られるよっ」
「えっ!…あの、別にそう言う意味で言った訳じゃ無くって…はい、休日もするの忘れて叱られてます」
チラリと私を横目で見ながら、先生は高木さんの攻撃を受け続ける。
ありゃりゃ~、私が居るから焦っちゃって…
先生、可愛いっ!
私は心の内で笑いながら、二人のやり取りを楽しんでいた。
「何で先生は指輪しないんですか?」
「…おい。完全に楽しんでるだろ…」
高木さんが巡視に行き、ステーションは先生と私の二人きり。
「うん!楽しい。だって先生言い訳が一生懸命で可愛いんだもん」
私はニヤニヤしながら、横に座る先生の左薬指を人差し指で突っついた。
「あのなぁ~。…でも、内視鏡するときに邪魔なのは本当だから」
「また邪魔って言った。新婚早々に結婚指輪を邪魔扱いするなんて、先生も酷い旦那さまだね~」
「あのなぁ…この、イジワル娘がっ」
ケラケラと笑う私を見て、彼は呆れ笑いを浮かべた。
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