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「…俺、もしかして虐められてる?」
先生は苦笑いを浮かべながら、お仕置きとして私の額を指で撥ねた。
「だって~、そりゃ虐めたくもなるよ」
可愛らしくデコピンされた額を押さえ、彼と合った視線がくすぐったくて笑みが零れた。
「お土産は…考えたけど。流石にさゆりがいるのに買えなかった。って言うか、そんな土産いらんよな?」
「うん。いらない。新婚旅行のお土産なんて」
「…唯、俺をあまり虐めるなよ」
目が合って、二人でくすりと笑った。
二人の選んだ道…
笑って、気持ちを押し殺して…―――受け止めるしかない。
私は複雑な気持ちだった…
今までと何も変わらない二人なのに、隣で笑う先生は会えなかったたった10日間で既婚者となっていた。
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