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『唯も明日結婚か…ついに人妻になっちゃうんだなぁ』
電話の向こうで先生がしみじみと言う。
「…先生なんて、既に旦那様になってるじゃん」
先生に改めて言われると、心の疚しさを暴かれているようで気まずくなる。
『まぁ…そうなんだけどね』
「そうだよぉ~。私を置いて、先に神様に永遠の愛を誓ったんだから」
私は皮肉を込めて悪戯気に言う。
『だから、それを言うなよぉ。…不謹慎な誓いの言葉だったけどな』
「本当に不謹慎だね。…私もそうなるけど」
それでも尚、冷めやらぬ想い。
いとも簡単に消されてしまいそうな罪悪感の中で、苦笑いを浮かべた。
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