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『唯、明日は何時から挙式?』
ただ泣き続ける私の気持ちを落ち着かせるためか、明るい口調で先生が話を切り替えた。
「…10時から」
嗚咽しながら答える、私。
『そっか。10時か。なら俺はその時間に空に向かって【桜坂】歌うよ』
「桜坂?…福山くんの?」
『そう。唯好きだって言ってただろ?』
「うん。好き」
『だから、桜坂で唯の門出をお祝いするからな』
「先生が福山くんの桜坂…」
何となく、間を空けてしまった。
『ちょっとちょっと!今、「先生じゃ役不足っ!」とか思っただろ!』
「ん……少しね」
私は涙を拭いながら悪戯気に笑う。
『悪かったな!どうせ俺はイケメンじゃありませんから~』
「そんな拗ねなくってもいいじゃん。大丈夫。先生もイケメンだよ」
『あのなぁ~そんな慰めいらん!』
携帯を手にして、拗ねる先生の顔が目に浮かぶ。
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