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「…唯、その焦りがいけないんじゃないの?自分を苦しめてるんじゃないの?
一体何に、そんなに焦ってるの?」
綾子は私の背中に手を乗せ、宥めるように優しい口調で言った。
何に焦ってるの?…
たぶん…きっと…
自分だけが置いていかれる事に焦っているんだ…。
私は先生が幸せであることを望んでいる。
それは嘘じゃない。
でも、今の私は…
あの二人を羨んでいる…。
二人が上手くいっている事を知れば知るほど、私の心は荒んでいく…。
悔しいが故に、直人にも同じ幸せを求めようとする。
競争?
……誰と?
――――私の心は醜く、荒んでいる。
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