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『いや、違うから!唯のせいじゃないから!全部、俺自身が決めた事だから。だから俺は頑張るだけ。それに俺って結構いい旦那だよ。休日はゆっくり寝ていたいのに、朝から公園に散歩行くんだぞ。向こうはベンチで読書、俺は芝生で寝る。どうだ?凄い頑張ってるだろ?』
「先生が公園の芝生で昼寝…奥さんがベンチで読書。絵に描いたような夫婦像だね。私達なんて休日は昼まで寝てるよ」
『いや…俺は昼まで寝ていたいんだけどね』
「でも幸せでしょ?奥さん家事もしっかりやってるし…毎日先生を待っててくれるなんて。それって、幸せな家庭だよ」
『そうだな…幸せなんだろうな。幸せって、なんだろ…。とりあえず俺は、自由が欲しいよ』
「自由かぁ…なら、自由ってなんだろうね。…結婚って、なんだろうね」
『結婚の意味かぁ…俺にも…よくわからないよ』
「なんだか私達の会話って、新婚同士の会話じゃないね」
『本当だな。端から聞いたら気味悪いな』
互いの呼吸を感じながら、苦笑いを落とした。
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