焦り

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駅近くにある赤提灯の古風な居酒屋。   私と綾子はとことんまで飲みたいと思う日は、必ずここに来る。   つまり仕事のストレス、恋愛の悩み、愚痴を吐きたいと思った時は、この常連客のおっちゃん達が集まる色気のないこの店で朝まで飲み明かす。   色気はないが美味しい家庭料理が味わえる上に、ラフな格好でスッピンでも来られる程の解放感がたまらない。   2日間の連休だと言うのに直人は仕事でいないため、やる事もない。     気を使っての事だろう…結婚して以来、友達からの飲みの誘いは全くと言っていいほどなくなってしまった。     そこで、夜勤明けの綾子を捕まえて焼き鳥を食べる事になったのだ。
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