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「私が思うに…唯が無理し過ぎてるんじゃない?」
綾子が鳥皮の串焼きにかぶりつきながら言った。
綾子には全部話してある。
私と直人の結婚生活…
先生との電話の内容…
すべて打ち明け、曝け出せる友人は綾子しかいない。
「無理…してるのかな…」
「たぶん、してるんじゃない?だって、もともと放任主義な二人だったんだから結婚しても別に変わらないはずでしょ?子供がいるなら話は別だけど。
それなのに唯だけ空回り…。無理して【いい奥さん】になろうって、自分に言い聞かせてるからじゃないの?」
うっ…
流石、無二の親友。…痛いところを突く。
「…そうかも知れない」
私はうつ向き、手持無沙汰にジョッキから流れ落ちる水滴をおしぼりで拭いた。
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