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綾子をタクシーで寮まで送り、私が帰宅した時には5時を回っていた。
「旦那がいないと朝帰りかぁ…不良妻だな」
苦笑いを落とし、そのままソファーに寝転がった。
先生…今、幸せ?
私は…なんか…駄目みたい…。
先生はもう、私の事を割り切ってるの?
別れた彼女のうちの一人なの?
このまま、忘れられちゃうのかな…。
記憶を忘れるスイッチでもあれば、楽なのにね…。
先生のファンとして憧れていたあの頃に…
直人だけを想っていたあの頃に…戻りたい。
結婚するまでは、あんなにもあなたを忘れたくないと願っていたのに…
今は…
あなたと愛し合った記憶がこんなにも苦しい…。
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