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「…さっき、今日私に会えると思ってたって言ったけど…どうして?」
伏せていた顔を上げ、先生を見る。
「だって明日から仕事だろ?だったら今日、絶対に情報収集に来ると思って。来るなら今までの唯の行動パターンからして、ナースステーションに人がいなくなる準夜。これくらいの時間を狙ってくると思ってさ。で、大当たり!」
先生は得意げな表情を浮かべ、ソファーに大きくもたれ掛かった。
「なるほど。でも、よく休憩室にいるって分かったね」
「それは一種の賭けだった。これで唯いなかったら、へこむとこだったよ」
「だけど先生の勘、凄いよ。本当に会えるなんて思ってなかった」
私の行動を読んで会いに来てくれたなんて…
「ありがとう。会いに来てくれて…嬉しい」
私は冷めかけた珈琲を飲み、照れ笑いをした。
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