私に触れる時間 第15話

新しい生活

私が結婚をして、３ヶ月の月日が流れた―――

私と先生はたまのメールと、月に一度だけの電話を続けていた。

第３水曜日の午後１１時。

先生からの電話が鳴った。

「今日の当直は落ち着いてる？」

『うん。ここの病院は夜間ほとんど呼ばれないから楽だ』

先生は、私達の病院の他に大学から頼まれた個人病院の当直を月に一晩だけやっていた。

大学繋がりの病院のバイトだ。

これが割りのいいバイトらしく、一晩の当直で３万～４万貰えると言う。

研修医上がりの年代の安月給ドクターは、こうしてバイトでお小遣いを稼ぐのだ。