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「わかったわかった。ちゃんと買ってくるから」
「うん。…あ、時間なくなるから行ってくる!」
私は急いで靴を履き、扉のノブに手を掛けた。
すると後ろから追いかけてきた直人が
「唯、唯っ!」
ニコニコしながら手招きをした。
「ん?どうしたの?」
私が近づいた拍子に「チュッ」唇に軽くキスをした。
「な~に?どうしたの今日は」
「たまには新婚さんの行ってらっしゃいのチュウでもしようかと思って~」
悪戯気に直人が笑う。
「新婚って、もうすぐ1年経つんだから新婚って言えるかどうか」
無邪気さを見せる夫が可愛くも思え、フッと柔らかな笑みを漏らした。
「まぁ気分の問題!行ってらっしゃい。頑張って来いよ~」
「うん。行ってきます」
私は夫に笑みを送って玄関の扉を閉めた。
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