招待状

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「先生、今日はまだうちの病棟来る予定ある?」     「それがさぁ、唯が夜勤だって知らなかったから、夕方もう回ったんだよね」   「なんだぁ…残念」   私の夜勤と先生の当直が重なる夜は少ない。 せっかく、少しでも話ができると思ったのにな。   私の表情から自然と笑顔が消えた。   「休憩を唯の病棟でするよ。唯は何時に休憩に入る?」     「ホントにっ!?今日は私がリーダーだから、自分で休憩時間割り振りできるの。じゃあ…3時でいい?」       「うん、なら3時に行くよ」     「また珈琲入れてあげるねっ」     「おう!頼むな」     エレベーターが開き、私は上機嫌で病棟へ向かった。     先生は「後でな」と軽く手を振り、反対の整形病棟へと歩いて行った。
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