257人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「喧嘩はよくするんだけどね。俺、喧嘩するとついキツイ事言いたくなるんだ。でも、それ言ったらあいつは泣くから…
そんな時は頭冷やすために一人でドライブするんだ…」
先生は苦笑いを浮かべたまま
「…俺って、情けないな」
ポツリと呟いた。
「情けなくなんてないよ…先生は優しすぎるんだよ」
さゆりさんに申し訳ない気持ちがあるからでしょ?
だから気持ちを抑えちゃうんでしょ?
先生の優しさと、辛さと…葛藤が痛いくらいに伝わってくる。
ごめんね…先生…ごめんね…。
罪悪感でズキズキと胸が痛む。
「ドライブして帰ると、結局さゆりは泣いてるから…泣かせた事には変わりないんだけどね」
私を気遣ってか…
先生は笑顔を作って、しいて明るい声で言葉を加えた。
最初のコメントを投稿しよう!