招待状

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【お互いを想いながら別々の道を歩む】   私達が選んだのは、初めから普通の幸せとはかけ離れた選択だった。     それを分かっていてもそのまま突き進もうともがく。     完全に関係を、想いを断ち切ろうとしていたなら何かが違ったかもしれない。     でも、私達にはそれができなかった…。     先生に恋をして、今まで何度も、何度も想いを断ち切ろうとした。     直人のために…自分のために。   でも… 職場で顔を合わせれば無意識のうちに胸の鼓動は高鳴る。      ふと気づくと先生を目で追い、些細なやり取りで胸を踊らせる。    以前の様な熱く求める情熱は封印できても…   少しでも繋がっていたいと願う想いまでは捨てきれなかった。     そして、「別に会話してるだけだから悪い事はしてないよね?」…自分達の行動に対し、都合のいい言い訳をする。     結婚相手への心の裏切りを、自分の中で打ち消そうする。     「私達は不倫じゃない!」     必死に自分に言い聞かせる。
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