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「えっ? は、はい。どうぞ」
突然横から話しかけられ、私は慌てて軽く会釈をし体を横にずらした。
「ここに立ってるって事は、澤原さんも遅刻したね」
水島先生が微笑みながら、私の横の壁にもたれた。
「なんだぁ、先生か~。『看護婦さん』だなんて言うから、誰かと思った。急に説明会行ってって頼まれたからさ。…そう言う先生こそ、もう半分説明終わっちゃってるよ?」
くすっと笑いながら、先生を見上げた。
「ちょっとCF(大腸内視鏡)が長引いちゃってさぁ。…って言うのは言い訳で、実は最初から遅刻していこうかと思ってたけどね」
「なにそれ。全く怠けドクターだな~」
「だって、この薬の説明薬剤部でももう一回やるって聞いたからさぁ。俺って一度聞けば理解できるから」
「はいはい、寝言は寝てから言いましょうね」
「あれ?また俺、軽く馬鹿にされてない?」
「そう?そう聞こえるなら、そうかもね」
私は密かに笑いを堪えながら、正面の映像を眺めている。
「相変わらず辛口だなぁ」
先生は、肘で私の腕をコツンと押した。
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