小指の微熱

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「そう言えば…綾子が水島夫婦のラブラブショッピングの現場を何回か目撃してるらしいよ」   私はにやけながら横目で先生を見た。     「綾さんが?…また、何か言われそうだなぁ」     先生は苦笑いをして返す。     「ん?綾子に何か言われたの?」     「…ずっと前ね。『唯をもて遊んだら、私が地の果てまで追いかけて復讐してやるっ!』って、言われた」   先生は辺りを気にしながら声を潜める。   「ははは…綾子らしくて洒落にならないね」     「だろ?綾さん恐いからな~。向こうは冗談で言ったんだろうけど、俺マジでビビった」    「綾子はきつい事ズバズバ言うけど、凄く私を思ってくれてるから…誰よりも信頼してる友達なの」     「うん、分かってる。…あと、ラブラブショッピングって…別に普通に買い物してるんですけど」     先生はそう言って、気まずそうに笑った。
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